SVブースト
マグフォースの要となるパーツ、インダクトローターを2段階可動にすることで、従来よりさらに緻密なブレーキ制御を実現した、ダイワベイトリールの最新ブレーキシステム。SV=ストレスフリー・バーサタイルが存分に味わえる機構だ
3タイプのブレーキ選択が可能な
マグフォース3Dを搭載
Z2020SH
可動式インダクトローターの
マグフォースVを初搭載
TD-X103
あまりにも革命的。
マグフォース・ブレーキの原点
ファントム・マグサーボSS-10
遠心ブレーキの原理
左写真スプールの金属の棒に差し込まれた可動式のパーツがブレーキシュー。スプールが回転すると、遠心力でブレーキシューが外周方向へ飛び出し、サイドプレートの内壁に押し付けられ、その摩擦力によってブレーキが掛かる仕組み。スプールの回転速度に応じた適切なブレーキ力が得られるが、物理的な接触を必要とするため、水濡れや内壁の汚れでブレーキの利きが変化する
マグフォースブレーキの原理
左写真スプール中央に取り付けられたオレンジの円筒状パーツがインダクトローター。右写真サイドプレート中央、2重になったシルバーの輪が磁石。インダクトローターは2重の磁石の間に非接触で嵌まるようにセットされ、スプールが回転すると、インダクトローターも回転。すると渦電流が発生し、スプール回転と逆方向の力が働く。その電磁誘導の力がブレーキになる
1982年に登場した、ダイワのベイトリールブレーキテクノロジー、マグサーボ。現在はマグフォースという名称で引き継がれているが、根幹の仕組みは当時から変えていない。つまり、約40年という長きに渡り、われわれダイワのベイトリールに自信確信を持って搭載し、アングラーに信頼され続けてきたテクノロジーなのである。
ここでマグフォースの原理について、よくある誤解を解いておきたい。それは、磁石の磁力でブレーキをかけているのではないということ。マグフォースの場合、スプールに取り付けられたインダクトローターという円筒状の非磁性導電体が一緒に回転することで、磁界の間に渦(うず)電流が発生し、これが抵抗となってブレーキがかかる仕組みだ。
そして、電磁誘導によって生まれるブレーキ力はスプールの回転速度に比例する。回りすぎれば大きな力が掛かってバックラッシュを抑え、回転が落ちればブレーキも弱まり、飛距離に最後のひと伸びを加える。つまり、マグフォースは回転の速度域に合わせて最適量のブレーキが掛かるというわけなのだ。
さて、そのマグフォース。2020年、さらなる進化をお届けできることとなった。その名もSVブースト。インダクトローターが2段階可動になることで、より幅広いルアーウエイトを扱えるとともに、ロングキャストから近距離のピッチングまで、より多様なキャスティングレンジに対応可能となったのである。ダイワベイトリールの革命は止まらない。