手感度と目感度を両立。
そして強い。
極限まで細く削りこんだ超弾性チタン素材
ただ穂先に金属を用いれば良いというわけではない。この大胆な発想を形にし得たのは金属ティップをカーボン素材のロッド本体と一体化する技術を持ってしてこそ。成型の難しい超弾性チタン合金を極細に削り出し、カーボンシートとグラスシートを貼り合わせた特殊シートを巻きつける。その工程こそ他に真似できないテクノロジーなのだ
しなやかで強い、金属ならではの振動伝導率の高さ
振動伝達力に優れるカーボンは、張りのある素材ゆえにアタリを出す魚の口元にわずかな違和感を与えてしまう。SMTは素材が強いため細くすることができ、グラスファイバー同様のしなやかさを実現。魚に違和感を与えずして、金属素材ならではの振動の強さと振動の持続時間による高い振動増幅性も発揮する
穂先素材の特徴(素材を曲げて弾いたときの振動波形)
スーパーメタルトップソリッド
振動の強さはカーボンソリッドと同じぐらいだが、持続時間が長く、釣り人が感じる「手感度」はより高い
カーボンソリッド
グラスソリッドに比べて発生する振動が強いため、より「手感度」は高い
グラスソリッド
発生する振動がカーボンソリッドやスーパーメタルソリッドに比べて弱め
中空タイプのSMTT
左がソリッドのSMT断面、右が中空タイプのSMTT断面。SMTTは、超弾性チタン合金をチューブラー(中空)構造にすることで高感度と秀でた操作性を兼備。ソリッドタイプのSMTに比べるとしなやかさは劣るが、より操作性に優れキャスティング性能も重視した設計でルアーロッドなどに搭載されている
一般的に、手元へ振動として伝わる感度(手感度)を求める上で最も多用されているのはカーボン素材だ。振動伝達力に優れるカーボンは魚のアタリや水中の様子をクリアに手元に伝えてくれる。だが、カワハギなど非常に繊細なアタリを取る必要のある釣りでは、手感度に加えて穂先の先端の動きをキャッチする目感度も重要視される。そのため、カーボンソリッドが細く削られたり、よりしなやかなグラスファイバー素材が用いられてもきた。
ところが穂先を細くすれば、強度は失われてしまう。また、グラスはしなやかである反面、振動伝達性にやや劣るという欠点を持つ。目感度を確保しながら強度と手感度も手に入れる。そんな究極の理想があるものか?
ダイワの発想と独自の最先端テクノロジーが実現したのは、まさにそんな究極の理想。超弾性チタン合金素材を穂先に使用したSMT(スーパーメタルトップ)がアタリの質を変えたのだ。
超弾性チタン合金はしなやかでありながら非常に高い復元力を持ち、さらにとても強い。硬いチタン合金を極細に削り出す技術もさることながら、これに特殊シートを巻きつけてから研磨することでロッド本体と完全に一体化させた。
強ければさらに細くもできる。カーボンやグラスでは不可能な強さとしなやかさの兼備は、圧倒的な目感度を実現した。さらには高い振動の継続効果がカーボンを上回る手感度も生んだのだ。