ギアの回転をブラさない。
そして無駄なく伝達。
ピニオンの進化
2枚の写真は、過酷な環境下を想定した試験結果。左の従来型の歯面には微細な塩溜まりが確認できる。この手の塩や砂粒の残留が、ゴリ感、ひいてはギアの歯欠の元になるのだ。一方、右の新型の歯面には、塩溜まりは皆無。当然、ギアは長持ちする
通常のピニオン支持構造
ハイパーダブルサポート以外の両軸リールでは、ピニオン内側を通るスプールシャフトでピニオンを支持している。ハイパーダブルサポートとの一番の違いは、パワーの伝達率。スプールシャフト2点で支持された構造では、ドライブギアとピニオンの噛み合わせにわずかながらズレが発生するため、本来のベイトリールの巻き上げ効率を最大限引き出すまでは至らない
高精度なピニオン支持構造
ピニオンは、強固なフレームにカッチリと収まっているボールベアリング2点で高精度に支持される。ズレが生じにくく、結果としてパワー伝達率を最大限引き出すことが可能だ。駆動サポートシステムとして、滑らかさの持続と巻きの強さ・軽さを発揮する
ハイパーダブルサポートとは、ドライブギアと噛み合うピニオン両端を、2つのボールベアリングで支えるシステムを指す。ベイト(両軸)リールのギアシステムでは、ハンドルからの入力が、まずドライブギアに伝わる。ピニオンは、そのドライブギアの回転をスプールに伝える役割を担う。つまり、どれだけ高精度なドライブギアを搭載しようが、その力を伝達するピニオンが脆弱では、滑らかで効率的な駆動性能は得られない。
通常、ピニオンはスプールシャフト2点で支持される構造が一般的。この構造では、ピニオンに強い負荷がかかった場合、その力を受け止めることができず、ドライブギアとピニオンの噛み合わせにズレが生じ、結果としてパワーの伝達力を最大限引き出すに至らない。
一方、ハイパーダブルサポートは、ピニオンの両端を2つのボールベアリングで支えることで、ズレを抑制。従来構造と比較し、ハンドルから入力されたパワーの伝達率を向上させるとともに、初期の滑らかな回転が長く続くことを実現している。ベイトリールの真のパフォーマンスは、このような駆動サポートシステムによって、滑らかさの持続と巻きの強さ・軽さが発揮される。ハイパーダブルサポートが回転の要たる所以だ。
支持構造だけでなく、ピニオン自体も劇的に進化した。歯面の諸元を刷新するとともに、高強度を実現する特殊素材を採用。腐食や固着、欠損などのトラブルを軽減させた。この進化はピニオンと密接な関係にあるクラッチの耐久性向上にも大きく寄与している。