ワッシャーの素材と枚数を
用途に応じて最適アレンジ。
大型リールのセッティング(左下)
SALTIGAやCERTATE SWなどの大型リールには、より多数の高耐久カーボンワッシャーを採用。きつく締め込んでもムラのないなめらかで安定したドラグを効かせることができる。写真の23SALTIGA6000-Hには、10枚のドラグワッシャーを重ねている
小型リールのセッティング(右上)
ATD、ATD TYPE-Lでは、リールの種類や番手によってドラグワッシャーの素材と数をアレンジし、最適なドラグ特性を引き出している。小型リールには、特殊グリスを塗布したフェルト系ワッシャーを採用。写真は、22EXIST LT2500SのATD TYPE-L
パワーモデルにはカーボンワッシャーを採用
長時間にわたり、確かなドラグの働きを必要不可欠とする大型リールのATDには、高耐久のカーボン系ワッシャーが使われている。小型リールには、繊細なドラグワークを可能とするフェルト系ワッシャーを採用
ライトラインをブレイクから守るATD TYPE-L
上図は、ATDとATD TYPE-Lにおけるドラグ曲線比較。ATD TYPE-Lは、フッキングなど瞬発的にラインが引き出された際のドラグ値の跳ね上がりを抑え気味に調整。また、ATDの特性はそのままに、ドラグの初動レスポンスをさらに向上させたのがATD TYPE-L。ライトライン使用時のラインブレイクを極力防ぐ設計だ
なめらかな滑り出しと、引きの強さに応じたドラグ力を実現
なめらかに滑り出すATDは、初動時のライン負荷のバラツキを抑え、ラインブレイクのリスクを低減(囲み①)。また、ラインの引出速度が上がるにつれて、ドラグが適度に粘る性質を持っている。これにより、大型青物など一度走り出したら止めづらい相手にも、ジリジリと適度に粘り強いドラグ力をかけ続けることができる(囲み②)。
トロフィーフィッシュほど、ライン強度の限界点に迫る激しいファイトを繰り広げる。命運を分ける、刹那の分岐点。この時ドラグは、アングラーにとって心強い頼みの綱となる。
だからこそ、入念なドラグ設定は怠れない。ラインブレイクが怖いからと言って、ゆるゆるのドラグにすれば、アワセがしっかりと決まらない。フッキングを確かなものとするためにドラグを締めすぎれば、今度は初動に遅れが生じ、スムーズに滑り出さない。多くのアングラーが、このジレンマを抱えてきた。
2015年、EXISTに初搭載されたドラグが難題を解消し、時代を変えた。リールの用途に応じたワッシャー素材と枚数を最適化し、塗布する特殊グリスに改良を加えることで、引きの強弱に追従してなめらかに作動し続ける理想のドラグ、ATDが生まれたのだ。
なめらかな滑り出しがラインブレイクを防ぎ、適度に粘り強い特性が魚の体力をジリジリと奪う。出て欲しいときに適度に滑り、リーリングすれば、しっかりと巻き取れる。大型リールには高耐久カーボンワッシャーを採用。長時間のファイトにも性能の落ちにくいタフさを手に入れた。
これに加えて、初動レスポンスをさらに高めたATD TYPE-Lを開発。ラインにかかるフッキング時の負荷を一段階抑え、滑り出しにもさらなる磨きをかけることで、細径ラインのブレイクを極力未然に防ぐ設計だ。
獲れるドラグを、実感してほしい。