スピニングリールにおけるギア伝達の仕組み
ハンドルを回すとドライブギアが回転し、メインシャフト上にあるピニオンはドライブギアと直交する方向に回転。ピニオンと同調してローターが回転する。同時にオシレートギアが回転し、メインシャフトを上下動させる
エアドライブシャフト搭載モデル
メインシャフトをカラー(①、②)で支持し、ピニオンと非接触にすることで、摩擦抵抗をゼロに。この構造自体は、従来のリニアシャフトと同様だが、エアドライブシャフトでは、そのカラーをより高精度化。これにより、滑らかで静寂な回転性能を実現するとともに、ピニオンの両端をボールベアリング(③、④)で支持。これにより、パワフルな巻き取り性能を可能にした
リニアシャフト/エアドライブシャフト非搭載モデル
リニアシャフト、エアドライブシャフトのいずれも非搭載のものは、ピニオンギアの内径で直接、メインシャフトを支持しているため、摩擦抵抗が発生し、とくに高負荷時のリーリングにおいてはパワーロスが発生してしまう
スピニングリールの場合、ハンドルを回す縦の回転は、ローターの横回転へと変換される。これを担うのがピニオンだ。同時にラインをスプールに均等に巻き取るために、スプールは上下動する。これを司るのはピニオン内を貫くようにセットされるメインシャフトだ。この複雑なメカニズムを、いかにパワーロスなく動作させるかで、スピニングリールの回転性能は違ってくる。
そのために現在のダイワスピニングリールには、リニアシャフトというテクノロジーが搭載されている。従来はメインシャフトをピニオンの内径で直接、支持する構造だったが、このリニアシャフトは、メインシャフトをカラーで支持し、ピニオンと非接触にすることで摩擦抵抗を軽減。高負荷時でもパワフルな巻き上げを実現している。そのリニアシャフトの優れた構造を継承しつつ、さらに進化したのが、エアドライブシャフトなのである。
エアドライブシャフトでは、同じくメインシャフトとピニオンは非接触だが、メインシャフトを支持するカラーをより高精度化することで、従来以上に回転ノイズが排除され、滑らかで静粛な巻き心地を実現している。これに加えてピニオンの両端をボールベアリングで支持することで、ハンドルから入力されたパワーをより効率的に、ローターの回転力へと繋げ、力強い巻き上げを可能とした。
巻き心地は、静粛で上質。なのにパワフル。エアドライブシャフトは、リールの内部で、その役割を密かに担っている。