22EXISTのエアドライブスプール
スピニングリールにおけるスプールは、その機種の「顔」ともいえる存在。それだけにデザインは、機種によって大きく異なる。写真は、22EXISTのスプール。無駄を削ぎ落したピュアなフォルムは、フラッグシップモデルにふさわしい存在感を放っている
ドラグ発音機構の進化
綿密な強度設計に基づき、徹底的に薄肉化することで、強度を維持したまま、軽量化を実現。さらに、従来のスプールでは一体成型だったドラグ発音機構を、エアドライブスプールでは独自素材を用いた別体構造にすることで、さらに軽量化を突き詰めた
ドラグ発音機構断面イメージ図
ドラグ音は、ラインが引き出されスプールが回転する際に、金属製の突起がドラグ発音用の溝と接触して発生する。この溝を非対称形にすることで、ラインが引き出される回転方向のみ摩擦を小さくし、ドラグがより滑らかに動作するようにした
スピニングリールの外観において、スプールは「顔」というべき、重要な存在だ。それゆえ、色彩や形状、質感を吟味し、そのリールにふさわしい世界観を、スプールに表現する必要がある。それは作り手の独りよがりであってはならない。使えば使うほどに愛着が増していく美しさでなければならない。
その美しさを表面的なもので終わらせないために、本質としての機能を磨き上げたのが、エアドライブスプールである。まず取り組んだのは、軽量化だ。綿密な強度設計のもと、不要な肉を徹底的にそぎ落とした。スプールの軽量化は、リールの自重そのものと同時に、フロントユニットの軽量化にもつながり、持ち重りも軽減される。また、ハンドル回転に連動して上下ストロークする際に、スプールの自重が軽ければ、動き出しも軽くなり、巻き始めの軽快さやレスポンスの向上にもつながる。つまり、エアドライブデザインの設計思想を実現するうえで、スプールの軽量化は避けては通れない課題だったのである。
加えて、エアドライブスプールでは新開発のドラグ発音機構を搭載した。スプール本体と別体構造にすることで軽量化を図るとともに、ドラグの動作を妨げにくい、摩擦抵抗の少ない構造に変更。なおかつドラグ音そのものも官能的な音質にチューニングするなど、情緒的な価値も大切にした。
アングラーと心を通わせることができるリールであるために、ダイワが理想する「機能」と「美」を追い求めたのが、このエアドライブスプールである。