ベールの角度が違う
ベールにわずかながら傾斜角をつけることにより、現代のアングラーのラインセッティングに、ストレスをもたらさない糸拾い性能(糸がベールを伝ってラインローラーにオートマチックにセットされる性能)を実現。ラインローラーへとよりスムーズに糸を導きやすくなった
エアドライブベールでは、中空パイプ構造には固執せず、実釣における必要十分な強度を維持したまま、中実構造を採用したワイヤータイプも用意。軽量化を突き詰めるとともに、従来のワイヤーベールに比べ、ライントラブルも大幅に改善している。
ローターユニットの軽量化に貢献
EXIST2500番で比較すると、22EXIST搭載のエアドライブローターは、ローターユニットで約16%の軽量化に成功。ダイワスピニング史上、未踏領域の軽さへと突入した。エアドライブベールもこの軽量化に大きく貢献している
長年にわたり、ダイワのスピニングリールのベールは、中空パイプ構造を採用してきた。このベールは、ダイワのスピニングリールに搭載されているテクノロジーで、エアベールと名付けられている。もちろん、中空パイプ構造であるのには理由がある。中身の詰まった、いわゆる中実構造と比べると、曲げやねじれに対して明らかに強く、その一方で軽量に設計できるからだ。
そのエアベールの進化版がエアドライブベールである。エアドライブデザインによって一新されたローターユニットのさらなる低慣性化のためには、ベールの軽量化は至上命題のひとつだった。単に軽ければいいというわけではない。ベールは左右非対称なパーツだ。ローターの回転バランスにも関わってくる。そのため、実はセッティングにも細心の注意が必要となってくるのだ。
ダイワは、そこにあえてメスを入れた。必要強度を維持しながらも小径化かつ新構造化することで、ベール単体で約33%の軽量化を達成したのだ。それだけではない。ラインがラインローラーへと、よりスムーズに移行できるよう、ベールの角度に傾斜セッティングを施すことで、ライントラブルのさらなる低頻度化も実現したのである。なおかつ、中空パイプ構造には固執せず、中実構造を採用したワイヤータイプも用意した。当然、中実構造であっても、実釣に必要な強度は十分に維持されている。
エアドライブベールは、数十年にわたって積み重ねられてきた技術の結晶といえるだろう。