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『 いいものは廃れない 』

イメージ一昨年、生誕20周年を迎えたハートランド。消長が激しいこの世界にあって、 20年以上もの長き歳月、ひとつのロッドブランドが存続してきたこと自体、稀有である。
実際、当時わが世を謳歌していたブランドのほとんどは消え去っているのだ。しかしそれはある意味、仕方がない。

新しいものが生まれてくるのは世の習いだからだ。時代が新製品を要求し、技術革新がそれを具体化する。
釣りのスタイルが急速に多様化している現在、矢継ぎ早に新製品が登場してくるのは必然でもある。

しかし、いいものは長く存続するという事実も忘れてはならない。
ハートランド以外でも例えばTDバイブレーションやTDミノー……
いまでも多くのアングラーの一軍ボックスで出番を待っている理由はただ一つ 「時代を超えた存在理由」を持っているからである。

その流れで考えると、ハートランドは不思議な存在である。
ブランドはしっかり存続してきたが、製品自体は常に時代を反映した新製品の連続だったからだ。
その時その時の最先端素材、最新の技術力を投入して開発されてきた。
いってみればハートランドは最先端のロッドを生み出し続ける老舗ブランドというところか。
逆に考えれば、毎年優れた作品を世に送り続けて来たから存続できたともいえる。

『 新たな提案。原点回帰モデル 』

イメージ昨年、21年目のスタートを機にハートランドは新しい道を歩み始めた。曲りに酔えるサオ、 釣り味を楽しめるサオという基本姿勢は継承しつつ、二つの路線を提案したのだ。
一つは、従来通り村上のこだわりを極めたフラッグシップモデルをコアなハートランダーに向けて開発する方向。

もう一つは、より多くのアングラーにハートランドの思想を理解してもらうべく、原点に帰ったサオを創っていこうという方向だ。

原点に帰るといっても復刻版を作るという意味では決してない。
釣果のみを求めることなく、大自然の中で魚との遣り取りを通じてサオの曲りを慈しむという、 ハートランドの思想を尊重しつつも、素材やテクノロジーは最先端のものを投入するということだ。
そして時代の釣りをダイレクトに反映したモデルを目指した。
だから、軽さやパワー、調子、感度などは最新のものとなる。
「こだわりの釣り、こだわりのサオ」という、20年余前にハートランドが生まれた時の素朴な発想を現代の素材、 技術力でカタチにする……そんなプロジェクトめいた開発を試みたのだ。

ハートランドはかつて「モダンな懐かしさがある」と表現された。いい得て妙である。
最先端素材、最先端技術を投入されたサオだが、曲りに酔える悦びは昔のままの懐かしさがあるということだ。
イメージ21年目の昨年はフラッグシップたる
HL 7102L+FS-SV AGS18 別誂 冴掛710 AGS
原点回帰モデルとして
HL 6101MRB-18
HL 721HRB-18
HL 671LFS-18
という4アイテムを発表した。

そして今年も村上が心血を注いだフラッグシップ1アイテム、 そして原点回帰モデル2アイテムが発売される。
HL 751HRB-SV AGS19 疾風 七伍 AGS
HL 6102 MLFS-19
HL 722 MHRB-19

これらの3アイテムはいずれも村上との取り組みを重ねて 完成されたものだが、今年は少しパターンが異なる。
「疾風 七伍 AGS」は従来通り村上との綿密な打ち合わせを重ねて、 何回もプロト作りとフィールドテストを繰り返して完成品に仕上げたもの。

それに対してHL 6102MLFSとHL 722MHRBの開発過程がいつもと異なるのだ。
つまり、村上の「こういうサオを作りたい」という考えをDAIWAの開発陣が具体化するという実験的な方法を採用した。
これまで20年以上村上とサオ作りを重ねてきた中で、何千本のプロトを作ってきた、 村上のクセを知り抜いているDAIWAの技術陣が今の村上の脳内を覗いてサオを設計、製作したのである。

もっと現実に近い言い方をすれば、村上の我が儘をカタチにしたということだろうか。
もちろん村上のオーダーはかなり具体的だったが、それをどう料理するかは開発陣の腕の見せ所。
村上の言葉は時に理解不能だ。いうまでもなく日本語をしゃべっているのだが、半分ほどしかわからないことがある。
それを「忖度」する作業が大変だったが、それも長い付き合いによる阿吽の呼吸でなんとかなった。

そして具体的作業に入った。ガイドセッティングを整え、ESS、Vジョイント、X45、3DXなどの最先端技術を導入、 そして素材はHVFナノプラスを採用。ひとことでHVFといっても、20年前と今とではまったく違う。
単にグラファイト繊維に対する樹脂量を表すHVFという言葉だが、 その組成の方法、巻き方、キュア(熱処理の仕方)などで根本的に変る。
つまりこの「原点回帰」モデルに使用されたHVFナノプラスは、 HVFの中でも最先端の素材なのである。
それがこの2アイテムに、フラッグシップモデルをも喰ってしまいかねない プレミアムパフォーマンスを生み出させたのである。

『 安かろう良かろう 』

イメージそうして出来上がったものを村上に見せて太鼓判を押されたのが この原点回帰の2アイテムなのである。
「我が意を得たりや。ベストな位置を見つけたな」と村上も満足げだった。
前述のように多くのアングラーにハートランドの思想を理解してもらうために トライした作品だけに、価格もこなれたものでなければならないが、 技術陣がそれを度外視して作ってしまったために、原価率は恐ろしく悪くなってしまった。
平たく言えば儲からないサオになってしまったのである。
だがハートランドはそれも良しとする。
安かろう悪かろう、ではなく安かろう良かろう、というのもハートランドらしいといえるからである。
何故なら、この2アイテムは素材、機能、コスメなど どこから見ても最高級ロッドと呼ぶにふさわしい完成度を持っているからである。
というわけで「原点回帰」の2アイテムでハートランドが 持つどこまでも気持ちいいサオの曲りを満喫していただきたい。
HL 751HRB-SV AGS19【疾風 HA・YA・TE 七伍 AGS】
HL 722MHRB-19
HL 6102 MLFS-19