none
ページトップへ
銀狼CUP


画像

因島に全国の強者集結! 決戦の地は潮流荒ぶる芸予諸島

2017年10月13日(金)~15日(日)、広島県尾道市しまなみ諸島にて「第2回 ダイワ銀狼カップ2017 全国決勝大会」が開催された。参加したのは、全国の地区大会、二回戦・ブロック大会を勝ち上がってきた14名と、第一回大会の優勝者である江平忠雄選手、準優勝の外輪勝也選手の2名のシード選手を加えた総勢16名。

前夜祭にて行われた組み合わせ抽選会では、16名の選手が4名1組の4グループに振り分けられ、翌日の予選リーグを戦うグループが決定。各試合の勝者には勝ち点3、釣果の有った引分けは2点、釣果の無い引き分けの場合は1点が与えられ、それぞれのグループで勝ち点の最も高い1名が翌々日の準決勝へと駒を進めることができる。それだけに同グループの対戦相手が誰になるかは大いに気になるところ。昨年同様、箱から番号の書かれたクジを引くごとに会場からは歓声が上がった。

画像 画像

尾道市因島の「ホテルいんのしま」で行われた前夜祭。予選リーグの抽選はくじ引きで行われ、対戦相手が決まる度に盛り上がった。

競技委員長の鵜澤政則さんによる恒例の選手インタビュー。「全国大会は何が起こるかわからない。最後まで気を抜かないように」と選手全員にエールを送った。

画像 画像

第1グループは熊本の中島KID栄治選手、兵庫の幸田武志選手、広島の木村公治選手、岡山の近藤晋選手の組み合わせ。

第2グループは昨年度準優勝の広島・外輪勝也選手、沖縄の比嘉宗信選手、秋田の有坂義樹選手、福岡の行徳秀美選手の対戦。

画像 画像

第3グループは昨年度優勝の福岡・江平忠雄選手、兵庫の鰰澤拓也選手、宮崎の清俊章選手、昨年度3位の兵庫・内波佑太選手の4名。

第4グルーブは広島の横路幸浩選手、熊本の中原大貴選手、岡山の岸本禎夫選手、山口の山中貴洋選手の組み合わせ。

勝ち残るのは誰だ! 激戦の予選リーグ

第一回大会と同様、会場となる尾道の因島周辺エリアは、瀬戸内の中でも島の密集度が特に高い芸予諸島に属する地域。チヌの魚影は非常に濃く、複雑に入り組んだ水道は、潮の干満に応じて激しい潮流が生じることで知られる。昨年は非常に厳しいコンディションでの闘いとなったが、今回はいったいどのような展開が待っているのだろうか……。

大会初日、予選リーグ第1試合は朝6時30分からスタート。近況では型が小さめという話があり、急遽対象魚のサイズを30㎝から予選大会と同じ25㎝に変更。しかし、この日は40~50㎝の良型を仕留める選手も見られ、サイズにバラつきが目立つ結果に。尾数だけでは、容易に勝敗の判断ができない状況となった。

第1グループでは地元強豪の木村公司選手を抑え、総重量8,578g(13尾)で全勝した兵庫の幸田武志選手が準決勝進出。

続く第2グループは第1試合で釣果無しの引き分けだったものの、第2試合(対有坂義樹選手)では5,570g(5尾)の爆発的釣果を叩き出した外輪勝也選手が奮闘。さらに第3試合(対行徳秀美選手)では、残り5分で大逆転というドラマチックな展開になった。その結果、勝ち点で並んだ比嘉宗信選手に総重量で圧倒し、2大会連続の準決勝進出を決めた。

第3グループは第一回大会の優勝者である江平忠雄選手の健闘が予想されたが、ペースを崩してまさかの全敗。一方、残り3選手は激しい競り合いとなり、その結果3名が同点で予選終了。審査の結果、釣果構成比(対戦相手同士の総釣果重量に対する各選手の比率)で内波佑太選手が2大会連続の準決勝進出。

第4グループは第12回SBCチヌ全国決勝大会出場経験のある岸本禎夫選手や、激戦区のBブロック大会を1位で通過した中原大貴選手、そして2位で通過した山中貴洋選手らがぶつかる激戦グループ。ここへ横路幸浩選手がどう食い込むか注目されたが、結果は地元の横路幸浩選手がブッちぎりで準決勝進出。やはりホームでは実力が遺憾なく発揮されたようだった。

画像 画像

午前4時、尾道市因島マリーナに選手たちが集合。当日使用するコマセを練り込む姿から熱気が漂う。

連覇が期待された江平選手だったが、思うような釣りが展開できずに大苦戦。まさかの全敗で予選を敗退し、全国大会の厳しさを目の当たりにした。

画像 画像

第1試合ではバラシを連発し、鵜澤政則競技委員長から渇を入れられた外輪勝也選手。第2試合からは気合いを入れ直し、今度は良型5尾を揃えて帰港。「もうちょっと分けて釣れよ」と鵜澤競技委員長から冗談交じりで賞賛を受けていた。

外輪選手の準決勝進出が懸かった第3試合。3尾対1尾で外輪選手が負けていたが、なんと後半残り10分前で2尾追加。3尾は残り5分で取り込まれ、タモが入った瞬間は思わず声を上げていた。

雨天の準決勝。ファイナル進出は横路選手と幸田選手!

翌15日の準決勝は冷たい雨の中、朝6時30分から2試合が同時スタート。前日の中夜祭で行われた抽選により、内波選手対横路選手、外輪選手対幸田選手の組み合わせが決定。

内波選手と横路選手の試合が行われたのは「ハカン松島」。まずは海に向かって左側に入った横路選手が、開始わずか3分でチヌらしき魚を掛けたがバラシ。すぐに打ち返しつづけると、5分ほどで1尾目をキャッチ。その30分後にも1尾追加し、内波選手にプレッシャーを掛ける。しかし、内波選手は焦ることなく打ち返し、すぐに1尾目、そして2尾目と追い上げてゆく。しかし、後半も横路選手の勢いは止まらず。そのまま順調に釣果を上げ、見事決勝進出を決めた。

外輪選手と幸田選手の対戦が行われた「馬神クズレ」では、前半から両者とも譲らない接戦を展開。開始早々、海に向かって左側に入った外輪選手が1尾目を仕留めると、すぐに幸田選手も1尾目をキャッチ。7時過ぎまでに両者とも3尾上げたが、ここで幸田選手が2連続キャッチ。前半は3-5で折り返し、外輪選手は後半で盛り返したいところ。しかし、後半は外輪選手が失速。一方、幸田選手は3尾追加し、決勝へと駒を進めた。

画像 画像

中夜祭では、昭和49年に村上水軍の兵法書「一品流水学集」に記された鼓譜を基に、現代風にアレンジされた「因島村上水軍陣太鼓」が披露され、選手達を激励した。

決勝戦進出を果たした4名。左から内波選手、横路選手、外輪選手、幸田選手。

画像 画像

外輪選手と幸田選手の対戦は2-5の釣果で幸田選手に軍配が上がった。

バラシが数回あったものの、魚を掛ける頻度が内波選手より勝っていた横路選手が決勝へ駒を進めた。

同尾数でフィニッシュ! 最後まで目が離せない決勝戦

幸田選手と横路選手の対戦となった決勝戦の舞台は「宿根(スクネ)島北」。当日は中潮で潮の動きが大きく、短い試合時間内でも刻一刻と潮流が変化することが予想される。これに素早く対応できるかが勝負のポイントとなりそうだ。

前半戦は海に向かって左側に幸田選手、右側に横路選手が釣り座を取る。午前9時51分、いよいよ決勝戦がスタート。早々にチヌらしき魚をバラした横路選手だったが、その後は反応がなく膠着状態が続く。徐々に雨風が強くなり、潮が左右にふらつき始めた頃。口火を切ったのは今大会絶好調の横路選手ではなく、静かに仕掛けを打ち返していた幸田選手。落ち着いた竿捌きでチヌの引きをいなし、難なく1尾目を取り込む。

その後はお互いに釣果がなく、前半戦が終了。そして釣り座を交替した後半戦、やはり黙っていなかったのが横路選手。後半開始15分で竿を曲げて幸田選手に並ぶと、続けざまにもう1尾追加して逆転。ところが幸田選手も引かず、後半残り30分で2尾目をキャッチするというデッドヒートを展開。これには周囲も息を呑んだ。

そして残り20分を切った頃、横路選手が釣り座を左側へ大きく移動。足元からハエ根があるリスキーな場所のようだが、お構いなしに仕掛けを流して果敢に攻める。するといい型のチヌが竿を舞い込み、根ズレに肝を冷やしながらも無事取り込みに成功。これで勝負あったかと思われたが、さすがは決勝戦まで上り詰めた幸田選手。心を乱さず終了間際に魚を引き出し、3-3の同点で試合終了。お互い最後まで引かなかった大接戦に、ギャラリーからは大きな拍手が巻き起こる。そして検量の結果、横路選手が822g差(幸田選手1966g、横路選手2788g)で「第2回 ダイワ銀狼カップ2017」のチャンピオンに輝いた。

画像 画像

決勝を戦うゼッケン4番・幸田選手とゼッケン2番・横路選手。幸田選手は笑顔だが、横路選手の表情はすでに真剣モードな様子。

己の緊張を解すため、「大丈夫、行ける!」など思うことを声に出していた横路選手。端から見ると焦りのように思えるのだが、幸田選手より一回り大きい魚を着々と積み重ね、見事勝利を勝ち取った。

画像 画像

上位入賞者4名。左から準優勝の幸田選手、優勝の横路選手、3位の内波選手、同じく3位の外輪選手。

第2回大会を制した横路選手を選手全員で胴上げの祝福。

第2回 ダイワ銀狼カップ2017 全国決勝大会

画像
優勝カップを抱え、笑みを浮かべる横路幸浩選手。「この日まで応援してくれた家族や仲間があっての結果です」と支えてくれた方々に感謝しきりだった。

優勝 横路幸浩選手のコメント

「いつかはこの大会で予選を勝ち抜き、全国決勝大会へ出るのが私の夢でした。今回は運良く地元の地区大会を抜け、ブロック大会もなんとかギリギリ通過。そして念願の決勝まで勝ち進むことができ、大変嬉しいです。実はAブロック大会への出場が決まってから、開催地である牛窓に毎週通い詰めたんです。今までこれほど週末に釣りへ出掛けたことはなく、家族の理解なしでは成し得ませんでしたね。感謝しております。おかげで全国決勝大会への切符を手にしたわけですが、舞台は地元の芸予諸島。大半の磯へは渡礁したことがあり、ある程度は地形を把握できていたのが強みだったのかもしれません。よく潮流に注目されますが、地形は常に変わらないもの。それを抑えていたのは、一番の自信になったと感じます。

予選を闘っていく過程で、潮が動けばタナ(中層)を取る、止まればエサを這わせ、ゴロゴロと海底を転がる動きにチヌが反応するといったパターンが見えてきました。私は緊張するとジッとしていられないタイプなので、『大丈夫、この考えで行ける!』と声に出して自分に言い聞かせてました。そうでないとブルブル震えるほど緊張してしまうので(笑)。すいません。

自分の考えが当たっていたのか、今回はなんとか優勝することができました。しかし、私の釣りは皆さんからみると雑な部分が多いと思います。決勝では途中から雨風が強まり、潮も変わって思い通りの釣りが展開できなくなる場面がありました。そこで幸田さんに先手を取られたわけですが、やはりあのような場面で慌てず、しっかりとした「自分の釣り」を展開できる人の強さを感じました。それがこれからの私の課題ですね」

[仕掛けデータ]

竿 銀狼王牙 AGS 0.4号-53
リール 銀狼LBD
オモリ ノーガン玉(ウキの末端部に板ナマリ)
道糸 アストロン磯ガンマ 1500(グリーンマーキング) 1.35号
ハリス タフロングレイトZカスタム EX 1.25号
ウキ 棒ウキ 400㎜(強風時はショートトップに交換)
ハリ チヌ0.8号相当
配合エサ 銀狼アミノXチヌ スーパームギ遠投
銀狼アミノXチヌ 名人ブレンド遠投SP